2014年09月26日

検証シリーズ・窓埋め戦略は本当に有効なのか?(そのA)

この記事で窓埋めについて考察してみましたが、今回は更に少し踏み込んだ検証をしてみたいと思います。

ズバリ、「窓埋め出来なかった時に、どのくらいの水準で損切り判断すればいいのか?」ということです。

※先に断っておきますが、この検証シリーズ、結構長い連載回数になる可能性が高いですw

まずは一番簡単に思いつく、「一定の価格を逆行したら損切りする」という考え。
その時の最適損切り幅はどのくらいに設定すれば良いでしょうか。

以下は前回記事で使用したスクリプトを少し改造して、決済したポジションに対して窓開け幅と最大ドローダウンの相関性を出力するようにしてまとめた散布図です。

窓開けvsDD.jpg

前回の記事にも関連しますが、窓開け幅とドローダウンにはあまり強い相関性はないようです。
プロットの密度からざっくり考えると、窓開け幅によらず一様に、おおよそ50銭〜1円くらい逆行したら損切るというのが戦略としては機能しそうです。

実際そうしてみた時に利益になるかどうかは・・・別途検証プログラムが必要になるのでお待ちくださいw

しかしながら、逆行価格は少しばらつきが大きいように見え、このようなケースに対して適切な損切りポイントを置くのは少し難しそうです。

では続いて、「時間制約による損切り(微益かもしれません)を敢行するケース」を考えてみましょう。
以下は、決済したポジションに対して窓開け幅と窓埋めまでに掛かる所要時間の関係性をプロットした散布図です。

窓開けvs所要時間.jpg

どうでしょう。縦軸ドローダウンと比較して、かなり低い位置でまとまっているように見えませんか?
おおよそ240時間くらい(2週間程度)様子を見て窓を埋めなければ強制決済、なんてロジックを組むと上手く機能しそうな気がしますね。
#もちろん、これには一般性は無いかもしれませんので、さらなる検証が必要ですが。。。

今度は、これらの両ロジックにおいて取引した場合に、実際に利益を上げることができるのか?という観点で検証してみたいと思います。

今回は以上です。
タグ:FX 検証 窓埋め
posted by しがないあらさー at 00:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 検証シリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2014年09月24日

検証シリーズ・窓埋め戦略は本当に有効なのか?(その@)

さて、久しくやっていなかった検証シリーズですが、今回は皆さんがその有効性についてよく分かってないと思われる「窓埋め」について検証してみたいと思います。
(検証プログラム自体は昨日完成したのですが、力尽きました・・・w)

蛇足かもしれませんが、ここで簡単に窓埋めについて説明しておきましょう。
下の図を見てください。

窓埋め.jpg

上は今年8月25日(月)付近のドル円チャートです。
何があったかは忘れましたが、月曜のマーケットオープンと同時に突然価格が上にぶっ飛んでいる現象が見えます。これがいわゆる「窓開け」です。

週末は(中東を除いて)市場が開いていないので、週末に大きなニュースがあるとこのような現象が見えることがあります。
この場合は週末にドルにとって良いニュースがあったので、買い指値注文が休み中に殺到したことでオープン価格が飛んでるということですね。株式市場ではもっと頻繁に見る現象かと思います。

で、この窓開けについて一般的に言われるのが、「開いた窓は必ず埋める」という都市伝説(?)です。
埋めるというのは、窓が開く前の価格に戻る力が作用することを指していて、確かにこの図では下向きの圧力が加わっていて、程なく元の価格に戻っています。

これが発生するメカニズムについては、あるのかもしれませんが私はよく分かりません。
窓埋め説を信じる人たちが作り上げた結果なのかもしれませんが。。。

窓埋めの説明はここまでにして、「じゃあ実際、かならず窓って埋まってるの?」ということを検証してみました!!

まずは手始めに私達と馴染みの深いドル円相場で検証してみました。

集計条件は以下のとおりです。

【集計条件】
・ドル円チャートの過去17520時間(730日分)を遡って検証
5pips以上の窓が空いた場合、計測対象とする
・開いた窓を埋めるまでの所要時間と、ドローダウン(窓埋め方向と逆行した価格変動)を計測

【集計結果】
結果は以下の通りです。

全ての窓が埋まるということは無いですが、過去2年ちょっとのデータではなんと90%以上の確率で窓を埋めていることが分かりました。
窓埋めの有効性はかなり高いといえるのではないでしょうか。

しかし、以下の表を見ても分かる通り、だからといって単純に窓を埋める方向にポジションを入れるという戦略を打った場合を仮定すると、未決済ポジションがどうしようもない含み損を抱えてしまっています。
単純に窓を埋めるまで待ち続ける戦略は全く役に立たないということが見て取れるかと思います。

決済
ポジション
未決済
ポジション
決済率未決済率
ポジション数84693.3%6.67%
1万通貨エントリー
での総損益
15万円
-102万円
(含み損)
--

上記のことから、窓埋め戦略を有効化するためには、この10%弱に当たる窓を埋めてくれないケースに対して如何にエントリーしないか、または如何にさっさと損切り判断するかということが非常に重要になってくるのだろうと思います。

エントリー判断としては、トレンドを見つつエントリーを行うということでフィルタリングとすることができるかと思います。
#トレンド方向に窓が開けばエントリー、逆方向であればエントリーは見送るなど。

ちなみに、開けた窓の大きさによって埋めにくいというようなこともあるかもと思って、開けた窓の大きさ別に決済ポジションと未決済ポジションを並べてみましたが、窓の大きさによって埋めにくさが変わるということはあまり無いようです。
(10銭程度の窓であっても14%くらいは窓埋めに失敗しているし、50銭以上窓を開けても8割方はちゃんと埋めている)

ポジション情報 5銭~10銭~15銭~20銭~25銭~30銭~35銭~40銭~45銭~50銭~
決済ポジション数
361894621107
未決済ポジション数0301000002
未決済率0%14.2%0%20%0%0%0%0%0%22.2%


続いて、どの段階で損切り判断をするかということですが、以下に興味深いデータを置いておきます。
以下の表は、窓埋めまでに要した時間と、埋めるまでに逆行してしまった値幅の平均値と最大値を示しています。

これを見ても分かる通り、窓を埋めるケースでは平均的に数日程度で窓が埋まってしまうのです。
また、ドローダウンも数十銭程度に収まっているということが分かるかと思います。
(2120時間というのは、幸運で救われたケースと考えたほうが良かろうかと思います)

よって、窓埋めを試みてから1週間も保持しているようなケースや、1円レベルで逆行してしまった場合は諦めて損切るというのが、窓埋め戦略において重要な要素になるのではないかなと思います。

決済までの
平均時間
決済までの
最大時間
平均
ドローダウン
最大
ドローダウン
70時間2120時間41銭4円60銭

まずはこの記事としては以上です。

以降の記事では、このデータの分散状況を取得してみてより深い考察を行ってみたり、また他の通貨ペアでも同様の傾向が見えるかどうか(一般性の検証)に切り込んでいきたいと思います。

乞うご期待!w

タグ:FX 検証 窓埋め
posted by しがないあらさー at 22:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 検証シリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2013年11月23日

検証シリーズ・米雇用統計で動いた方向についていくとどうなるか?

今回の検証シリーズは、米雇用統計を利用する戦略について。
とはいっても、指標スキャルはもはや既に通用する業者が存在しないので、もっと長期目線での戦略です。

ある日、同じようにFXをやっている友人が言っていたことには、

「雇用統計で動いた方向にその月は動くんだよ」

と言っていました。
バカバカしくて一笑に付してしまいたくなりますが、検証することで見えるものがあるかもしれないと思うことが重要だと、最近私は思うわけです。

やってみました。

シミュレーションモデルは以下のとおりです。

・シミュレーション対象通貨:米ドル円
・シミュレーション期間:2007年1月1日〜2011年11月22日(約5年間)
・戦略概要:毎月第1金曜日に動いた方向に、翌週の月曜日に1万通貨でエントリー。
      イクジットは±10円達成するか、翌月第1金曜日(次回の雇用統計)になる。
【補足】雇用統計は必ずしも第1金曜日ではないので、誤認識を避けるために、「22時(サマータイム時は21時)の価格と当日終値に50銭以上の開きがあった場合」にのみエントリーさせることでフィルタを掛けました。

その結果がこちら↓

雇用統計追従グラフ.jpg


その友人の言うとおり、2009年後半以降はこの戦略が完全に機能しています
しかしそれ以前は逆に完全な逆指標という極端な感じです。

今のところこの戦略は非常にピタリマッチしていますが、これからもこの戦略が機能するのかどうか・・・少なくとも私はやる気はありませんw
ただ、ある程度のトレンドを測る意味で使うというのは一つの作戦かなとは思います。

以上です。
タグ:FX 検証
posted by しがないあらさー at 20:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 検証シリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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