窓埋め検証シリーズ、まだまだ続きます。
今回は、シリーズ(その@、B)にてドル円、ユーロドルにて取った情報と同じものを、面白い特性があることでよく知られるユーロスイスフランにて検証してみたいと思います。
なぜこの通貨ペアが面白いかというと、まずボラティリティ自体が非常に小さいことと、最大の特徴としてユーロスイスフランが1.2を割ることをスイス中銀が絶対に許さないという姿勢を見せているためです。
つまり、相当のことがない限りはこの通貨ペアの下限は決まっているということが言えるのです。
上下限の片方が決まっているというのは、窓埋め戦略(特にロング)にはかなり有効に機能するのでは?ということで、面白そうだったので調べてみました。すると、やはり面白い結果が出たようです。
以下、シミュレーション条件と結果です。
【集計条件】
・ユーロスイスフランチャートの過去17520時間(730日分)を遡って検証
・5pips以上の窓が空いた場合、計測対象とする
・開いた窓を埋めるまでの所要時間と、ドローダウン(窓埋め方向と逆行した価格変動)を計測
【集計結果】
結果は以下の通りです。
過去2年ちょっとのデータですが、ユーロスイスフランの窓埋め率はなんと100%!!
この通貨ペアは窓埋め戦略にはピタリハマるのでは?という気がしますね。
決済 ポジション | 未決済 ポジション | 決済率 | 未決済率 | |
ポジション数 | 56 | 0 | 100% | 0% |
1万通貨エントリー での総損益 | 689スイスフラン (約8万円) | 0スイスフラン (含み損なし) | - | - |
ユーロスイスフランが窓を開けたら、どんどん突っ込んでいくだけの戦略が過去2年では機能しているようですね。
また、ドル円・ユーロドルでの検証と同様に、開けた窓の大きさ別に決済ポジションと未決済ポジションを並べてみました。
さすがにボラティリティが小さいだけあって大きく窓を開けることはあまり無いようですが、逆に言うと窓を開けた場合には大きなチャンスになりうるように思います。
ポジション情報 | 5pips ~ | 10pips ~ | 15pips ~ | 20pips ~ | 25pips ~ | 30pips ~ | 35pips ~ | 40pips ~ | 45pips ~ | 50pips ~ |
決済ポジション数 | 35 | 9 | 5 | 3 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 |
未決済ポジション数 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
未決済率 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
続いて、損切り判断のための情報を収集しました(不要かもしれませんが、リスクを回避するならやっておいたほうがいいですよね)。
決済までの平均時間についてはユーロドルとさほど変わらないようですが、平均ドローダウンがかなり小さく抑えられていますね。
353pipsのドローダウンはかなり厳しいと思いますので、50pipsくらい逆行したら切るのが良いという感じでしょうか。
決済までの 平均時間 | 決済までの 最大時間 | 平均 ドローダウン | 最大 ドローダウン |
93.5時間 | 2,196時間 | 26.5pips | 353.1pips |
次はユーロスイスフランの窓埋めの場合での、詳細な損切りラインについて考察を深めてみます。
今回は以上です。