2015年11月18日

【検証シリーズ】資金管理だけでFXは勝てるのか?(その2)

この記事[クリックでリンク先へ]にて提起した「FXにおいて、機械的なロット管理だけでどこまで利益の期待効用を上げられるのか?単純にやれば期待値がマイナスになるような手法でも勝てるようになるのか?」というテーマについて、今日はもう少し掘り下げてみようと思います。

今回のテーマとしては、一般的にギャンブルで用いられる資金管理手法(バーネット法とかグッドマン法とか調べると色々出てきます。FXをやる方に一番馴染みのあるのはマーチンゲール法でしょうか)がFXに馴染むのか?ということを検証してみたいと思います。

まずは以下のバックテスト結果を見てください。

これは非常にシンプルなモデルとして、「TP/SLともに50pipsでロングを入れる」「TPかSLにかかると、再びロングで入り直す」という無意味なロングをひたすら続けるロジックを2010年から現在までドル円相場に適用させたグラフです。
とてもわかり易い結果になっており、2012年10月辺り(600辺り)までは損益グラフは単調に減り続け、それ以降はアベノミクスに乗って全体的に勝ち傾向が続いているという状態が綺麗に現れています。

固定ロットUSDJPY_151118.gif

最終的な結果(抜粋)を示したデータが以下です(赤枠で示したところがポイントです)。
これを見ると分かる通り、トータルで見るとほとんど利益も損失もなしという残念な結果になっております。
勝率も50.87%と、辛くもプラスに出来ましたというレベルのゴミ手法です。

固定ロットUSDJPY_151118.jpg

それでは、この手法に資金管理を加えてみましょう。
いわゆる「ピラミッド法(ダランベール法)」と言われるもので、「勝てばロットアップ、負ければロットダウン」という非常にシンプルなものです。
今回は手法の特徴がもっと表れやすいやり方として、「勝てばロットアップ、負ければ次は最低ロット」という、いわばTCPのウィンドウ管理のようなロット管理手法を適用させてみます。
その結果が以下となります。

ロットアップ手法USDJPY_151118.gif

ロットアップ手法USDJPY_151118.jpg

如何でしょうか。ちょっとだけ見栄えが良くなっているようには見えませんか?
もう一度並べて比較してみましょう。

固定ロットUSDJPY_151118.gif

ロットアップ手法USDJPY_151118.gif

下のほうが頑張ってるように見えますねw
実際にプロフィットファクターも1.00→1.05に改善しているので、効果が現れているのは客観的にも言えるかと思います。

元の固定ロットに対して平均ロット数は2.07倍になっているので、最大ドローダウンについてはあまり違いが出ていないですが、純利益を見ると92倍になっているため、単純に考えると資金管理だけで利益効率を45倍にまで膨らませることが出来たことになります。

これは凄い発見だと思いませんか!?みなさんはどう思われますでしょうか。



・・・自分で言うのもあれですが、これは詭弁です。騙された人は気をつけましょうw

なぜなら、この結果は結果ありきでやっているバックテストだからです。
ドル円相場が2012年以前とそれ以降で極端にトレンドが切り替わっているのは、今だから自明の事実であり、そのことを当時から予見できるワケがないのです。このロジックが2013年以降は勝ちやすいということがわかった上で、連勝すると利益が乗りやすい資金管理手法を敢えて選んでいるので、この結果は当たり前なんですよね。

では、今までの主張がすべて否定されるのか?というと・・・そうではないと私は考察します。

なぜなら、FXの手法には必ず得意な相場と苦手な相場が存在するからです。つまり、特定のロジックに対して連勝しやすい相場環境と連敗しやすい相場環境が交互にやってくるという仮説が立てられるのではないかと思うわけです。

もちろん苦手な相場で参入しないのが最も賢いのですが、そこまでの技術がまだない場合や、または自動売買EAを購入して運用する場合など、必ずしも苦手相場を把握しきれないようなケースも存在するわけです。こういったケースにおいて、ここで検証したような資金管理手法が適用領域となるのではないかと考えるわけです。

ということで、かなり長い記事になってしまったので、続きは後日書いていきたいと思います。
今後の記事では、ギャンブルで使われるような色々な資金管理の手法を紹介し、それぞれがどのような取引手法にマッチするのかというような観点で考察を進めてみたいと思います。

以上です。
タグ:FX 検証
posted by しがないあらさー at 03:57 | Comment(2) | TrackBack(0) | 検証シリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2015年11月17日

【検証シリーズ】資金管理だけでFXは勝てるのか?

「FXは資金管理が重要だ」というようなことをよく言われたりしますが、これから何度かの記事にわたって、その辺りの検証をしてみたいなと考えております。

一般的にこういったケースで言われる「資金管理」というのは、バルサラの破産確率を考えて破産しないように立ち回ろうとか、勝てそうなときにだけ大きく張ろうだとか、基本的には単純に期待値が1を超えるようなケース(勝てる手法だというのが前提)についての考察が主だと思います。

ちょっと私は趣向を変えてみて、「期待値が1を超えなくても勝てるのか?」「より手法の期待効用をあげるために、機械的に行えるロット数管理はあるか?」という観点での検証をしてみたいと思っています。

カジノなどでは基本的に期待値が1を超えることはありませんが、資金管理により大きく儲けることができるといいます。それは例えばマーチンゲールのような「死ぬまでに逃げる」という手法であったり、(オカルトですが)グッドマン法のような運の流れを意識したベット方法などにより、いわば「勝てる確率を上げる」ための手法になるかと思います。

以下の表を見てください。
これは、とある単純な手法について5年間のバックテストを行った結果です。
ロジックの違いはズバリ、資金管理方法だけです。資金管理によって、最終利益・ドローダウンにこれだけ大きな差が出てくるということなのですね。
#実際に単純比較するためには平均ロット数で正規化する必要がありますが、ここでは本質ではないので省略します。これだけ特性に差があるということだけわかっていただければと思います。

MoneyManagementComparison.jpg

次は以下を見てください。
これは固定ロットではマイナスになってしまうという救いようのない手法です(単純ランダムエントリーロジックなので、スプレッド分期待値がマイナスになります)。

ところが・・・以下のとおり、資金管理によっては勝てている場合もあることがわかります。
これは、「資金管理だけでFXは勝てる!」という仮説を単純にバカバカしいと吐き捨てられない、一つの投げかけになるのではないかなと思います。

MoneyManagementComparison2.jpg

今後の記事では、じゃあどのような資金管理をすれば期待値以上の利得を得られるのか?という具体的手法について検証を掘り進めてみたいなと思います。

以上です。
タグ:FX 検証
posted by しがないあらさー at 04:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 検証シリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2015年05月07日

【検証シリーズ】ロングは緩やかに、ショートは急落、は本当なのか?

久しぶりの検証シリーズです。
今回の検証テーマは、「ロングとショートの値動き」について。

一般的に、相場は「ゆっくり上昇し、急落する」という流れを繰り返すと言われています。
これって、実際のところはどうなんでしょう?通貨ペアにも依存するんでしょうか?時間足は?
ということで調べてみました。

【調査条件】
■サンプルとして、USD/JPY、EUR/USD、AUD/USDの3ペアを抽出
■各時間足で、過去最大10000本(※)の足から、陽線および陰線の以下データを調査
 ・本数
 ・平均長(実体部分)
 ・標準偏差
 ※ヒストリーデータが足りないため、大きな時間足ではサンプルが少ないです。。。

標準偏差も出すことで、平均値から見えない差異を見ることができます。
例えば、平均値が近くても標準偏差が大きい方がデータのばらつきが大きくなるため、結論として急落(急騰)を起こしやすいということが言えるかと思います。

ということで、結果は以下のとおりです。

<USD/JPY>

線長USDJPY.jpg

大きな違いが見えているのは、日足以降。それより小さな足ではほとんど差分ありません。
日足はデータが足りず、ほぼアベノミクス期間のためあまりアテにはならなそうです。。。
週足、月足のデータはリーマンショックも含んでいるため、急落・急騰をともに経験しているデータです。

んー・・・週足だと急落、月足だと急騰のほうが起こしやすいという結果で、なんとも言えないですね。。。
それでは、別の通貨ペアも見てみましょうか。

<EUR/USD>

線長EURUSD.jpg

短い足はほとんど差分無いので省きました。
分足はロングの方が急騰しやすい感じですが、これは今日のADPの影響などもあるかもしれません。。。

大きな違いとして見えてきてるのが週足以降。
やはり、急騰よりも急落のほうが起こしやすいという結果が見て取れるかと思います。

<AUD/USD>

線長AUDUSD.jpg

これも、短い足はほとんど差分無いので省きました。
これもEUR/USDと同様で、週足以上に大きくなってようやくロングとショートで差が出てくるといった感じです。

---

ということで、今回はロングとショートの値動きについて検証を行ってみました。

日足未満についてはロングもショートもあまり違わず、週足以降については、一般に言われている通り、おしなべて下落のほうが急であるということは言えるのかなと思います。
ただこれはリーマンショックやアベノミクス期間を含めての結果なので、結局は背景にあるファンダメンタルによるのかなーとも思いました。

ただ、ひとつわかったこととしては、

”短い足においては”、急落の方が急騰より起こりやすいという事実はない!

ということは言えるのかなと思います。微妙な結論になってしまいましたがw

以上です。
タグ:FX 検証
posted by しがないあらさー at 01:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | 検証シリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
ゼニカル