2016年01月27日

【検証シリーズ】資金管理だけでFXは勝てるのか?(その5)

「ギャンブルで使われる資金管理手法を用いてFXの利益を最大化出来ないか!?」というコンセプトで始めたこの検証シリーズ、なかなか終わらずついに5回目となりました。

過去記事は以下を参照してください。
[第1回]
[第2回]
[第3回]
[第4回]

前回は、実例としてEGOISTというEAの過去実績を使って検証してみました。
結果・・・「相当な効果が見える!」という結論を出したのですが、実は検証に少し穴があることが分かりました。。。

このEGOIST、一度に最大10ポジションを持つEAであるため、同時に持ったポジションの勝敗が関連づいてしまうという傾向があったんですね。当然連勝・連敗が偏りやすくなっているわけで、良い例ではありませんでした。

そこで、今回は1ポジエントリー、1ポジ決済中心のEAを物色して検証してみました。
・ブレイクスキャルシステム
・Anomaly002 GBPJPY
・さざなみ

(Anomalyはサンプルが少ないですが)どれも今のところいい感じの成績を上げており、基本的に複数ポジを持たない設計のEAです。それぞれ損大利小型、中間型(若干勝率重視)、中間型(若干利益幅重視)という特性があり、手法の比較検討に良いのではないかなと思いました。
#ちなみに、ブレイクスキャルは私の出品しているEAですw

比較対象とする手法は以下のとおりです(※)。
・資金管理なし(固定1LOT)
・バーネット(1326)法
・グッドマン(1235)法
・逆マーチンゲール法(4連勝でLOT数リセット)
・マーチンゲール法(4連敗でLOT数リセット)
※手法比較が目的のため、ロット数は正規化を行っています。
 具体的には、どの手法も全取引の総LOT数が同一になるようにLOT数を正規化しています。

それでは、早速検証結果を見てみましょう。全部の結果を並べてみてみます。

【ブレイクスキャルシステム】
損大利小型・勝率重視(勝率91.11%、平均利益・損失比=417円:−2,865円)
BreakScal+資金管理.jpg

【Anomaly002 GBPJPY】
中間型・勝率高め(勝率64.71%、平均利益・損失比=8,367円:−8,247円)
Anomaly002+資金管理.jpg


【さざなみ】

中間型・勝率トントン(勝率53.57%、平均利益・損失比=3,159円:−2,746円)
さざなみ+資金管理.jpg

どうでしょうか。最終損益の比較で見ると・・・
・ブレイクスキャル : 逆マーチン >> マーチン >> バーネット > 手法なし >> グッドマン
・Anomaly : マーチン >> バーネット = 手法なし > 逆マーチン >> グッドマン
・さざなみ : マーチン > グッドマン > バーネット > 逆マーチン > 手法なし 
という感じです。

こうして見ると、マーチン手法も悪くないかも・・・?という感じですね。
ブレイクスキャルやAnomalyのように勝率が高いEAではなかなか強いです。最終利益は置いておいて、全体的に安定してグラフの上の方を推移していることが分かるかなと思います。逆に、さざなみくらいの勝率だとなんとも言えませんね。
連敗を許容し過ぎると破綻してしまいますが、4〜5連敗したら初期LOTに戻す、というくらいの破綻リスクを下げた運用をすればわりかし効果的かもしれません。

逆マーチンやバーネット法のような連勝した時に乗って行く手法についても、資金管理しないよりは若干成績が良くなる傾向にあるというのも分かるかなと思います。ただし、若干損益グラフが荒れることになるので、DDを意識した運用は必要になりそうです。

また、同じ連勝時に乗って行く手法でも、グッドマン法のように大きく負けて引くような手法は全体的にあまり良くないかもしれません。どんなEAでも大連勝を続けることはあまり無いという証明かもしれません。

ちなみに、今回紹介したEAは以下の画像リンクから購入できます。気になった方は、是非見ていってくださいね。

ブレイクアウトの瞬間を掠め取る!!ヒットアンドアウェイのスキャルシステムです。
ブレイクスキャルシステム
ブレイクスキャルシステム | fx-on.com

利大損小デイトレEA
Anomaly002 GBPJPY
Anomaly002 GBPJPY | fx-on.com

まさにローリスクの鉄板ロジック!複数ポジを一切持たずに安定したトレードを実現。
さざなみ
さざなみ | fx-on.com

ということで、今回のまとめです。

・好調時にロットを上げていく手法は有用だが、成績は手法を利用しないケースに比べて荒れやすくなる。
・勝っているからと調子に乗ってロットを上げ続けるのは非効率。調子のいい時ほど引き際をわきまえること。
・特に勝率の高い手法においてマーチンゲール手法は有用。(ただし、破綻までLOTを増やさず、適当な連敗数で諦めること)

マーチンゲールは、うまく使いこなせば良い戦略かも?と思ったのは収穫だったかなと思います。
ただし、たまたま良くない例を挙げてしまったEGOISTの例から、ナンピンしながらロット数を上げていく、いわゆるナンピンマーチン手法は愚の骨頂だということもよくわかったかなと思います。

以上です。
タグ:FX 検証
posted by しがないあらさー at 01:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 検証シリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2016年01月25日

【検証シリーズ】資金管理だけでFXは勝てるのか?(その4)

本シリーズ四回目です(過去記事は[こちら][こちら][こちら]からどうぞ)。

前回記事から2ヶ月位放置してしまっていました・・・そろそろ結論に向けて行きたいと思います。

前回記事までに得られた知見として、「ギャンブルに用いられる資金管理手法は、連勝・連敗しやすい環境で効果を発揮する(マーチンゲールについては逆)」ということが言えたかと思います。
そうすると、相場環境で調子が大きく変わるEA運用にぴったりなのでは?という仮説を立てたところまでだったかと思います。

そこで、今回は実際に販売されているEAの実績を使い、「資金管理手法を使っていたらどうなっていただろうか?」という観点で検証してみたいと思います。

今回用いたのは、FX-ONで販売されている「EGOIST」です。
本EA、一時はひたすら右肩上がりで大人気を博したのですが、昨年中盤から突如調子を落としてしまいました。
・・・が、最近はまた自力を見せ、右肩上がりの傾向を示し始めているというところで、まだまだ期待感の持てるEAとなっております(以下の画像リンクから商品説明やフォワードテストを見ることが出来ます)。

トレンド追従型のシンプルなEAです
EGOIST (USDJPY)
EGOIST (USDJPY) | fx-on.com

ここから過去実績のCSVファイルを落とし、実際の過去データを用いて検証していきます。

比較対象とする手法は以下のとおりです(※)。
・資金管理なし(固定1LOT)
・バーネット(1326)法
・グッドマン(1235)法
・逆マーチンゲール法(4連勝でLOT数リセット)
・マーチンゲール法(4連敗でLOT数リセット)

※手法比較が目的のため、ロット数は正規化を行っています。
 具体的には、どの手法も全取引の総LOT数が同一になるようにLOT数を正規化しています。

結果は以下のとおりです。

EGOIST+資金管理.jpg

如何でしょう。
結果としては、グッドマン>バーネット>逆マーチンゲール>>>資金管理なし>>>>>マーチンゲールという感じになりました。

本EAの勝率は69%程度で、勝ちやすいものの、(単純確率では)決していつまでも連勝することが期待されるようなEAではありません。
にもかかわらず、連勝時に勢いに乗って行く資金管理手法がかなり効力を発揮していることがよく分かるかなと思います。
また、2015年中盤から押し寄せてきた絶不調の波も、何もしないよりダメージを小さく抑えられているというところも一目瞭然ですね。

また、逆にマーチンゲールは大きなマイナスになっています。
勝率から考えると、4連敗する確率はそう高くはありません(1%弱ですね)。でもこれだけマイナスになってしまっているということは、どれだけ勝率が高くても、単純運用し続けていると(大)連敗を避けることができないということも言えるのかなと思います。

ということで、今回の実例検証では以下の知見を得ることが出来ました。

・同一ロジックを用いた取引手法は高不調の波が大きいため、連勝で利益を重ねるギャンブルの資金管理手法が有効的に作用しやすい
・逆に、どれだけ勝率重視の手法であっても、連敗は避けられない。FXの取引手法にマーチンゲールを用いるのは非常に危険!!

次回以降の本検証シリーズでは、「では損小利大型の手法ではどうか?」「手法のポートフォリオを組んで資金管理手法を適用したらどうなるか?」なども調べてみたいなと思います。

ということで、今回は以上です。
タグ:FX 検証
posted by しがないあらさー at 04:44 | Comment(3) | TrackBack(0) | 検証シリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2015年11月24日

【検証シリーズ】資金管理だけでFXは勝てるのか?(その3)

本シリーズ三回目です(過去記事は[こちら][こちら]からどうぞ)。

今までの記事にて、「資金管理手法によってFXの利益効果を上げることができるのではないか?」という仮説が立てられる可能性について言及しました。

今後の記事では、以下について検証を進めてみたいと思います。
@主にギャンブルで用いられる資金管理手法の適用領域についての概説
Aこれらの手法をFX取引に活かすにはどうすればよいか?

今日の記事は、まずは前提条件となる@について、説明をしてみたいと思います。
カジノなどで用いられる資金管理手法には、主に以下の様なものがあります。

・バーネット法(1326法)
・グッドマン法(1235法)
・マーチンゲール法
・逆マーチンゲール法(バーレー法)
・ダランベール法(ピラミッド法)
・31システム

他にも細かなものは色々とありますが、これらの資金管理手法の肝は「運の流れを意識して、勝ちを大きく伸ばす」ということです。
上記の中でマーチンゲール以外は、基本的に大連勝した時の利得が大きくなるようになっているのです。
マーチンゲールだけは少し特殊で、勝ちを大きく伸ばすというよりは、負けをなくすための資金管理手法となっています。

ここで、それぞれの資金管理手法について簡単に説明していきます。


<バーネット法(1326法)>

連勝数に応じて、掛け額を1→3→2→6と変えていく手法です。
負け、または4連勝すると掛け額を1に戻してやり直しです。

この手法の特徴として、偶数連勝すると非常に効率よく資金が増えていくという点が挙げられます。
特に4連勝した場合の利益効率が非常に高いという特徴がありますが、逆に4連勝以上出来ない環境だとジリ貧になってしまうという弱点もあります。


<グッドマン法(1235法)>

連勝数に応じて、掛け額を1→2→3→5→5→5→・・・と変えていく手法です。
負けると掛け額を1に戻しますが、勝ち続ける限り掛け額は5固定となります(まあ、戻しても良いですが)。

この手法についても、連勝を重ねれば重ねるほど効率のよいという点がメリットです。
また、2連勝以上できれば以降負けても勝ち分は確保できるため、比較的バランスの良い資金管理手法なのかなと思います。


<マーチンゲール法>

この手法では、勝っている限りは掛け額は1になります。
負けるごとに掛け額を2→4→8→16→・・・と倍にしていき、勝った時点で掛け額を1に戻すという方法です。

この手法の最大のメリットは、「いくら負けてもたった1勝で取り返せる」という点です。
これがかなり魅力的な響きのため手法として取り入れる人が多いのですが、それだけ大きなメリットなので、もちろん大きな弱点もあります。連敗時における掛け額の膨らみ方が級数的に増えていくため、意外と早く破綻が来ます。非常に危険な資金管理手法といえると思います。


<逆マーチンゲール法(バーレー法)>

この手法は、字のごとくマーチンゲールの逆手法になります。
勝つごとに掛け額を2→4→8→16→・・・と倍にしていき、負けた時点で掛け額を1に戻すという方法です。いわゆる「倍プッシュ」というやつです。

大連勝できないかぎりはひたすらジリ貧ですが、一度大連勝してしまえばとんでもなく大きな利益になるというところが最大のメリットです。
ただし、いつまでも倍プッシュし続けるとどこかですべてを失うので、やめ時の見極めも非常に重要な手法と言えるかと思います。


<ダランベール法(ピラミッド法)>

この手法は勝つごとに1→2→3→4→・・・と少しずつ掛け額を上げていく方法です。
さながら、緩い逆マーチンゲール法といったところです。
負けると同様に4→3→2→1と掛け額を少しずつ下げていくため、ピラミッド法などと呼ばれます。

この手法は連勝しやすい環境で徐々にロットを上げていけるため、期待値の高い投資手法では徐々に勝ちが大きくなっていくというメリットが有ります。
ただ、この手法は大連勝した後に大連敗するとダメージが非常に大きいという弱点があり、これも負け始めた(=流れがなくなってきた)際のやめ時が非常に重要な手法かなと思います。


<31システム>

これはちょっと変わっている手法なので、参考までに紹介します。
勝っても負けても、掛け額を「1→1→1→2→2→4→4→8→8」と増やしていき、2連勝した時点でロットを1に戻してやり直し、という資金管理手法です。

この手法のメリットとしては、2連勝した時点で必ず勝ちが確定するというところです。
考え方はマーチンゲール法とよく似ています。「勝率は低いが連勝はしやすい」というような状況で力を発揮しますが、そのようなケースがどのくらいあるのかは不明ですw


・・・ということで、いろいろな手法の概要を紹介したところで、これらの手法が実際にどのような特性を見せるかという点について比較してみたいと思います。


<連勝ケース>

まずは連勝ケースについて比較してみましょう。
各種法において連勝を続けた場合と、連勝中に負けた場合について記載しています。

資金管理_勝ちパターン.jpg

どうでしょうか。
大連勝時に圧倒的なパフォーマンスを示しているのは逆マーチンゲール法で、バーネット・グッドマン・ダランベール法についても連勝を重ねるたびに勝ち額が大きく膨らんでいく様子がわかるかと思います。特に青色で塗っているあたり、5連勝以上になってくると、固定ベットと比較して大きく差が開いていることが分かるかと思います。

ただし、連勝中に負けたパターンについても注目が必要です。
連勝時に圧倒的なパフォーマンスを示す逆マーチンゲールですが、赤塗りで示している通り、負けた時点ですべてが台無しになってしまいます。どこかで引かないと確実に負けるので注意が必要です。

グッドマン・ダランベールは黄色塗りで示している通り、2連勝以上しないと勝ちに転じません。
勝ち負けが交互にやってくるような状況においては、固定ベットに対して劣後する事になってしまいます。

また、バーネット法もかなりクセモノです。
4連勝以上した場合のパフォーマンスはかなり高く、特に濃い青で塗っている「4連勝して負ける」というパターンのパフォーマンスが非常に高いのですが、赤塗りで示している通り、3連勝以下の場合にほとんど勝ちが積み上がりません。勝率1/2前後では単勝後に負ける確率はかなり高いと思いますが、そのケースでの損失が最も大きいというところも着目すべき点です。使い所が難しいという理由がよく分かるかなと思います。


<連敗ケース>

続いて、連敗ケースも見ていきましょう。
各種法において連敗を続けた場合と、連敗中に勝った場合について記載しています。

資金管理_負けパターン.jpg

マーチンゲール法と31システム以外は差分ありません。

青塗りの箇所をみれば見れば分かる通り、マーチンゲール法ではいくら連敗していても、一度勝つだけで取り返せるというのが見えるかと思います。
しかしながら、赤塗した箇所の通り、負けるごとに負債が大きく膨れ上がっていきます。9連敗した時点でなんと当初の掛け額の511倍もの負債を抱えることになってしまいます。
単純に1/2の確率であれば0.195%という非常に低確率ではありますが、この状況が発生した時点で破綻するという非常に危険な手法であることが分かるかと思います。

31システムはマーチンゲールと比較すると比較的マシですが、連勝ができないと同様に負債が積み上がっていくリスクの高い手法となっているのが分かるかなと思います。


ということで、今回はギャンブルなどで用いられる資金管理手法について紹介し、連勝時・連敗時の観点で比較を行ってみました。各種法の特性がよく見えたかなと思います。

次回は、これらの特性をどのようにFXの資金管理に活かせるか!?という観点で検証を進めてみようかなと思います。

以上です。

タグ:FX 検証
posted by しがないあらさー at 03:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 検証シリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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