前回記事から2ヶ月位放置してしまっていました・・・そろそろ結論に向けて行きたいと思います。
前回記事までに得られた知見として、「ギャンブルに用いられる資金管理手法は、連勝・連敗しやすい環境で効果を発揮する(マーチンゲールについては逆)」ということが言えたかと思います。
そうすると、相場環境で調子が大きく変わるEA運用にぴったりなのでは?という仮説を立てたところまでだったかと思います。
そこで、今回は実際に販売されているEAの実績を使い、「資金管理手法を使っていたらどうなっていただろうか?」という観点で検証してみたいと思います。
今回用いたのは、FX-ONで販売されている「EGOIST」です。
本EA、一時はひたすら右肩上がりで大人気を博したのですが、昨年中盤から突如調子を落としてしまいました。
・・・が、最近はまた自力を見せ、右肩上がりの傾向を示し始めているというところで、まだまだ期待感の持てるEAとなっております(以下の画像リンクから商品説明やフォワードテストを見ることが出来ます)。
トレンド追従型のシンプルなEAです

ここから過去実績のCSVファイルを落とし、実際の過去データを用いて検証していきます。
比較対象とする手法は以下のとおりです(※)。
・資金管理なし(固定1LOT)
・バーネット(1326)法
・グッドマン(1235)法
・逆マーチンゲール法(4連勝でLOT数リセット)
・マーチンゲール法(4連敗でLOT数リセット)
※手法比較が目的のため、ロット数は正規化を行っています。
具体的には、どの手法も全取引の総LOT数が同一になるようにLOT数を正規化しています。
結果は以下のとおりです。

如何でしょう。
結果としては、グッドマン>バーネット>逆マーチンゲール>>>資金管理なし>>>>>マーチンゲールという感じになりました。
本EAの勝率は69%程度で、勝ちやすいものの、(単純確率では)決していつまでも連勝することが期待されるようなEAではありません。
にもかかわらず、連勝時に勢いに乗って行く資金管理手法がかなり効力を発揮していることがよく分かるかなと思います。
また、2015年中盤から押し寄せてきた絶不調の波も、何もしないよりダメージを小さく抑えられているというところも一目瞭然ですね。
また、逆にマーチンゲールは大きなマイナスになっています。
勝率から考えると、4連敗する確率はそう高くはありません(1%弱ですね)。でもこれだけマイナスになってしまっているということは、どれだけ勝率が高くても、単純運用し続けていると(大)連敗を避けることができないということも言えるのかなと思います。
ということで、今回の実例検証では以下の知見を得ることが出来ました。
・同一ロジックを用いた取引手法は高不調の波が大きいため、連勝で利益を重ねるギャンブルの資金管理手法が有効的に作用しやすい。
・逆に、どれだけ勝率重視の手法であっても、連敗は避けられない。FXの取引手法にマーチンゲールを用いるのは非常に危険!!
次回以降の本検証シリーズでは、「では損小利大型の手法ではどうか?」「手法のポートフォリオを組んで資金管理手法を適用したらどうなるか?」なども調べてみたいなと思います。
ということで、今回は以上です。
EGOISTは1回あたり最大で10のポジションをとりますが、検証の前提は、
1回=1ポジションでしょうか? それとも、
1回=最大で10のポジションの一グループの取引 でしょうか?
意図としては、後者の場合、手動にてポジションを変えれば実際に運用が可能と思いました。
今回の検証は前者で集計していました。
そこでデータに少し偏りが発生してしまう可能性がありますね。そこの考慮が抜けていました。。。
次は1ポジ限定のEAで検証してみようと思います。
ご回答ありがとうございます!