スワップ通貨のロングを取ることによるスワップ投資を行っている方は結構いるかなと思うのですが、私もその一人です。
スワップ投資をしてよく思うのが、「なかなか含み損益を含めてプラスに転じないな・・・」ということです。特に今週のブラックマンデーで含み損は更に膨張してがっくりと来ている方もかなり多いのではないでしょうか。
ということで、「スワップ投資って本当に儲かるの?」という点についてもう少し深く切り込んでみました。
検証にあたり、以下の3ケースを見ていくことにします。
・豪ドル円
・トルコリラ円
・ドルトルコリラ
具体的にどのように見ていくかというと、「現時点でポジションを持っている場合、どこで入れたポジションであればまだ含み益の状態なのか?」を調査していきます。
スワップ通貨だと日々スワップが積まれるため、当然ですが損益分岐点となる価格は日々下がっていきます(ロングの場合)。つまり、理屈上はいつまでも持ち続けていればそのうちプラスになるということは言えるわけです。
・・・が、細かく見ていくと意外なことがわかってきます。
ということで、先に進んでいきましょう。
【豪ドル円編】
少し線が薄くて見えにくいですが、以下の図を御覧ください。
これは豪ドル円の2007年位からのチャートになるわけですが、赤線で示している価格が損益分岐点となる価格帯になります。
簡単にいえば、赤線より下の価格でエントリーしていれば今もプラスということですね。

いかがでしょう。意外とイケますね。
リーマンショック後から民主党政権時代くらいに入れたポジションであれば、ほぼプラスを維持している状態です。
アベノミクス以降に入れたポジションは軒並み全滅・・・という風にも見えますが、これは現在の金利をベースに計算しているため、実態としてはもうちょっとマシな状態かなという気もしてはいます。
・・・という感じで次はトルコリラも見ていきます。ランドもだいたい同じようなものだったので省略してます。
【トルコリラ円編】
トルコリラ円の損益分岐点を示した図が以下です。
豪ドル円と横軸があっていないので少し見にくくて申し訳ないですが、なんと驚くべきことに、民主党政権時代以外に入れたポジションはすべてマイナスなのです!

豪ドル円と比べても、スワップ投資はかなり厳しい通貨なのではないかなと思います。
ドルトルコリラになるともっと悲惨です。。。
【ドルトルコリラ編】
以下の図が、ドルトルコリラの損益分岐点を示したものです。
今回はショートのポジションになるので、逆に赤線より上で入れたポジションが現在も利益になっているということを示しています。

衝撃の結果です。
なんと、2010年以降にとったポジションを現在も持っていると、スワップを加えてもほぼ赤なのです!!
ドルトルコリラでスワップ投資をするなど愚の骨頂ということだったのですね・・・(自戒)
ということで、今回の検証でわかったこととしては、まずは「スワップ投資をするなら豪ドル、ニュージードルなどの先進国通貨で!」ということが言えるかなと思います。いくら金利が高くても、新興国通貨でスワップ投資を行うのは非常に危険なのです!!
それでも新興国通貨でスワップ投資を行いたいという方は・・・以下を必ず意識するようにしましょう。
・「値頃感」を大事にする!!・・・見ても分かる通り、波動の上の方で取ったポジションは軒並み全滅です。(通常の取引ではやってはダメですが!)過去のチャートを見て安値に落ちてくるまではポジションを持つのは我慢しましょう。
・時間分散投資を行う!!・・・いっぺんにまとめてエントリーしてしまうと、含み損が一生解消しないという危険すらあります。時間を分けて(できれば週・月単位)平均価格を下げていく努力をしていきましょう。
・利が乗ったらこまめに決済する!!・・・上記検証の通り、ただただ持ち続けているだけではマイナスが膨れる一方です。プラスに転じたらこまめに決済して逃げる、これを意識するようにしましょう。
スワップ投資は放置トレードができると思いがちなので、初心者ほどついつい手を出してしまう投資手法です。が、実はかなり危険を孕んだ投資手法なわけなのですね。
やり方を間違えなければかなり有効的な手法であることは間違いないと思うのですが、何も考えずにただただポジションを入れていくだけでは破滅が待っている危険な投資手法でもあります。
放置するのではなく、マメにポジションの管理をしてあげることがとても重要なのですね。
・・・という感じでマメにポジション管理をしてくれるEAをFX-ON様で販売していますので、よろしければ見ていってくださいw
#今回のブラックマンデーでかなりやられていますが、それでも最小限の被害に抑えられていることがフォワードテストから分かるかなと思います。
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以上です。
リーマンショックの数年前、ランド円は20円でした。
リーマンショックのちょっと前は14円から16円をうろうろしていました。
現在は9円台。こんなに円安なのにリーマンショック前の3分の2以下です。
高金利なのはインフレだから。
インフレってことは、通貨は安くなるというのが大原則。
だから、経済学的に考えれば、スワップ投資は儲からない。
残念ながらフリーランチはないのです。
もちろん、新興国が発展することで金利分ほど安くならないこともあるし、また、逆に、トルコのように不安定化して、金利分以上に安くなることもある。
当然、波はあるので、安値で仕込み、高値で売ればよい。
通貨の選択とタイミングが重要になるわけで、それであれば、スワップ投資というよりは通常の外貨投資となんら変わらない。
それから豪ドルは中国の発展のおかげで、強くなったという側面があると思います。
豪州の輸出のNO.1は鉄鉱石、NO.2は石炭で、中国に大量に輸出している。
ニュージランドも豪州と経済的な関係が強く、間接的、中国発展の恩恵を受けている。
そう考えると、過去は豪ドルやニュージランドドルのスワップ投資がよかったとしても、今後もよいかどうかはわからないと思います。
ちなみに、リーマンショック前と比べて、もっとも円安になっている通貨はわかりますか。
(あまりにマイナーな通貨ではなく、たいていのFX業者が取り扱っている通貨で)
それはスイスフランです!
リーマンショック前、日本とスイスだけはデフレで、他の国が利上げしているとき、低金利のままでした。
本来、デフレであれば、通貨は強くなるはずです。
実際、アベノミクスの前は円も強かった。
日本がデフレのままであればいつか円高になるはずだし、円安が続くのであればいつか日本もインフレになるのではないかと思っています。
コメント頂きありがとうございます。
私は経済に詳しくないのですが、金利とインフレ率は連動しており打ち消されるという論調はその通りなのかなと思います。金利を除いた本質的な通貨の価値が為替相場を形成するというのは、新興国通貨のチャートを見ると明らかですね。。。
私が豪ドル・ニュージードルのほうが良いと書いたのは、あくまで過去実績のデータから言及したのみです。
おっしゃるとおり、豪ドル自体の価値が豊富な資源に裏打ちされたものなのだとすると、資源需要がなくなると価値が下がるというのもごもっともだと思います。
ただまあ・・・個人的には、中国に限らず世界に「新興国」が存在する限りは、資源に対する需要は急激に下がらないと思うので、安定した価値を持ち続けられるのではないかなと思っています。
また、メジャー通貨の場合はファンダメンタルの影響力が大きいため、売り込まれて為す術がなくなる新興国と比較して政治的な圧力が介入できる分、比較的安全なのでは?とも思っています。
あまり経済に明るくないところでのコメントのため見当違いがあるかもしれませんが、ご容赦いただければと思います。
そうすると、新興国通貨を波動の上の方で売っておけばほぼ必ず利益が出るって事ですな。
>個人的には、中国に限らず世界に「新興国」が存在する限りは、資源に対する需要は急激に下がらないと思うので、安定した価値を持ち続けられるのではないかなと思っています。
資源国通貨の場合、資源の価値(価格)が影響すると思います。
経済学では、価格は需要と供給によって決まることになっています。
(実際の相場は、そんなに単純ではありませんが。)
原油価格が下がっていますが、シェールガス革命で供給が増えたことが大きく影響しているといわれています。
今後も、再利用技術の開発等で資源の供給が増えることもありえます。
一般的に、世界の人口が増え、経済が発展すれば需要は増えると考えられますが、省エネの技術で需要が抑えられる可能性があります。
将来的に需要と供給がどうなるかは読めません。
(わかれば、大金持ち!)
したがって、資源が安定した価値を持ち続けられるか、資源国通貨がどうなるかもわからないと思うのです。
もちろん、資源の価値が全くなくなることはありませんが。
それから、メジャー通貨は新興国通貨よりも絶対に安全です!
なぜなら、メジャー通貨は新興国通貨よりも流動性が高いからです。
今年の1月に、スイスフランショックでスイスフランの流動性が失われ、ひどいことになりました。
先日、24日の夜、ドル円が15分くらいのうちに4円くらい値が動きました。
あの時も流動性が失われたからです。
新興国通貨は流動性が低いため、何かあれば全く値が付かなくなります。
1997年、1998年のアジア通貨危機、1998年のロシア通貨危機、1999年のブラジル通貨危機。
リスクを承知して、余裕資金で運用する分には、いいんですけどね。
「最強ヘッジファンドLTCMの興亡」という本があります。
ノーベル経済学賞を受賞した人たちのヘッジファンドLTCMが流動性を失った市場で破たんするドキュメンタリーです。
読み物として面白いし、もちろん勉強にもなるので、お時間のあるときに読んでみてはいかがでしょうか。
そうですね、今回ちゃんと調べてみて初めて気付きました。
ドルリラが落ち着いて一旦戻してきたら、思い切ってロングを入れてみようと思いますw
いえいえ、非常にためになるのでありがたいです!もうちょっと経済の仕組みもしっかりと勉強しておきたいと思います。
推奨本についてもありがとうございます。
折を見て勉強に見てみたいと思います。
よろしくお願いいたします。