その結果、以下の結論を導きました。
<用語の定義>
・原資2%ルール:元手が100万円であれば、50万円になっても200万円になっても2万円を損失幅に設定する。
・資産2%ルール:勝つことで資産が増えてくれば損失幅も上げるし、負けると損失幅を下げる。50万円になれば損失幅は1万円になるし、200万円まで増えれば損失幅は4万円にする。
<結論>
@原資2%ルールよりも資産2%ルールの方がドローダウンを小さく抑えられる。
A最終的な利益としては、勝率が高い場合は資産2%ルールに優位性があり、逆の場合は原資2%ルールに優位性がある。
じゃあこれって、どんな場合でも言えるの?ということで更に検証を深めてみました。
具体的には、プログラムを組むことでシミュレーションを回してみたのです。
そのシミュレーションモデルは以下のとおりです(かなり簡略化しています)。
<シミュレーションモデル>
1・原資は1万ポイント
2・良EA(同額を掛け続けたときの期待値120%)、悪EA(同額を掛け続けたときの期待値80%)の両方で検証する
3・原資ベースでは常に200ポイント、資産2%ルールでは現在手持ちのポイントの2%を掛ける
4・勝ち負けの判定は、勝率に応じて完全にランダムに決まる
5・負けるときは掛けた額を失い、勝つときは勝率に応じて期待値に沿うようにポイントが与えられる
6・この勝負を100回行う
上記のシミュレーションを1万回行い、利益幅とドローダウン(原資から最大でどれだけマイナスになったかなので、最大を示しているわけではありません)の平均値を取り、勝率ごとにグラフ化しました。その結果が以下のとおりです。
■期待値120%のEAの場合■
■期待値80%のEAの場合■
いかがでしょう?
明らかに分かることとしては、EAの良し悪しにかかわらず期待値が同じでも勝率が高い方がドローダウンが小さいと言う点と、なんと原資2%ルールでも資産2%ルールでも勝率ごとの最終的な利益には差がないと言うことが言えるのですね。
これは上のAの結論と相反しています。何故でしょうか。
ここにもう一つ、要素を入れて見ます。
期待値は変わらないが、連勝と連敗だけで構成するようにしてみましょう。
具体的には、たとえば勝率30%の場合、○○○●●●●●●●○○○●●●●●●●…と言うような星取表になります。さっきのシミュレーションモデルの4の条件だけ変更した形ですね。
このように勝ち負けに偏りを持たせた場合はどうなるでしょう。
#この条件でドローダウンについては信憑性がなくなるのでグラフからは省略します。
■期待値120%のEAの場合■
■期待値80%のEAの場合■
大きく結果が変わりましたね。
原資2%ルールだと同じように期待値どおりの利益に繋がります(当たり前ですね)が、何と資産2%ルールでは勝率で結果に大きな違いが見えているのが分かるかと思います。
自動売買システムは時期によって「優位性のある時間帯」と「優位性のない時間帯」があるというのはよく言われていることだと思いますので、連勝・連敗の割合が増えてくるというように考えれば、この結果はかなり意味のあるものではないかと思われますね。
よって、EAを作って運用するときは以下の点を意識しましょう。
・勝率の高いEAを作ろう!そして原資2%ではなく資産2%ルールを使え!
・勝率の低いEAを使う場合は、勝率だけでなく勝ち負けの偏りも意識してルールを決めないと利益の最大化は難しい!相場状況に応じて使い分けよう!
また、原資2%ルールだと必ずドローダウンがでかくなるので資金管理はしっかりとすること!
以上です。参考にしてみてください。
(自分もやってみてすごい勉強になりましたwww)